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◆追記

 この特集は、去る5月4日、横浜で行われた玄米酵素の関係の健康セミナーで聞いた話を元にして書いたものです。

 ただ売れればいいというような、流行を追って利益追求ばかりしている健康食品メーカーでは、まず問題にはされないテーマだと思います。

 健康食品業界の中において、(株)玄米酵素は、本当に貴重な存在だなと思う次第でありました

機関紙 ゆまにて

肉食文化と食料危機 

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肉食文化と食料危機

 

 

 玄米や雑穀を主食にして菜食に心がける食事、いわゆる玄米自然食が私たちの健康を維持・増進する上でとても大事だということは、ゆまにてでも繰り返し申し上げておりますし、また巷の健康雑誌や書籍でもとりあげられております。
 
 四つ足の動物食をなるべく減らし、野菜や海藻を多く摂るようにすることは、血液をきれいにして生活習慣病の予防・克服をする上では欠くことのできないポイントですね。

 この玄米自然食には、健康にとって大切であるという面とは別に、ぜひとも知っておきたい重要な面があります。それは、個人の問題ではなく、全人類的な問題です。

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■肉食と食糧危機

 実は、私たちが今のように肉食を続けていけば、確実に食糧危機は早まるのです。

 飽食の国と言われる日本に住んでいると、食糧不足とか食糧危機と聞いても、あまりピンとは来ないでしょう。でも、テレビのニュースなどで、誰でも知っていらっしゃると思うのですが、世界中には飢えで苦しむ多くの人たちがいるのです。

■食糧不足の実体

 現在の世界人口は、約62億人です。そのうちの8億人強の人たちが、今、この瞬間にも飢えで苦しんでいるのです。
 
 ところがです。世界的に見て、本当に食糧が不足しているのかというと、そうでもないです。
 
 そのことを、穀物を例に取って見てみます。

 現在、世界の穀物生産量は年間約20億トンにもなります。世界の全人口は62億ですから、頭割りすれば、一人あたり300キロ以上もの供給が可能なのです。

 もう少し具体的に見ていきます。たとえば、トウモロコシの生産量を見てみますと、年間に約6億トンも生産されています。一人あたり100キロも行き渡ります。

 そして、トウモロコシ1キログラムのカロリーは3,500kcalです。人が生きていくのに必要な最低カロリー数は、500kcal/日。単純に計算すれば、このトウモロコシだけでも、今の地球人口すべてを養えるだけの生産量なのです。

 それなのに、どうして8億人も飢餓に苦しむ人たちが出てくるのでしょうか。
 実は、その原因が、肉食にあると言えるのです。

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■牛肉1キロ=トウモロコシ8キロ

「牛肉1キロ=トウモロコシ8キロ」と、何やら暗号めいたこの数字。一体何かと言えば、これは、柔らかい牛肉を1キロ作るのに必要なトウモロコシの量だそうです。肉牛を1キロ太らせるのに、餌として、その8倍の穀物が必要になるのです。


 ただしこれは、平均的な肉牛の場合で、霜降りの高級和牛の場合は、その10倍、10キロの穀物が必要だそうです。それにビールを飲ませたり、いろいろやるわけです。
 
 さて、同じように、今度は米で換算してみます。
 ハンバーグ1個分の肉をつくるには、おにぎり何個分のお米が必要でしょうか。
 答えは、
 
 65個 です。

 65個のおにぎりだったら、がんばれば、私たちでも50日位は生きられそうです。

 

 つまりです。肉というのは、非常にエネルギー効率の悪い食べ物であるということなのです。肉食文化が拡大するということは、途方もない穀物の無駄使いをするということでもあるのです。
 
 このような事情によって、先にあげたトウモロコシの年間生産量6億トンのうち、約4億トンが家畜用飼料にされています。
 
 そしてこの4億トンのトウモロコシで作られた牛肉と、残りの2億トンのトウモロコシは、欧米や日本など、経済的に豊かな国に優先的に届けられます。私たちの今の肉食文化の背景には、このような歪んだ状況があるのです。

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■このまま肉食文化が広がると、どうなるか。

 今現在、日本や欧米諸国以外でも、この肉食文化が急速に広がっています。

 たとえば中国です。中国は人口が13億人(実際は、戸籍を持たない人がおり、さらに2,3億人多いそうです)。そのうち、都市部に住み、欧米諸国のような生活をされつつある人は3億人と聞いています。

 もし中国でも、日本のように国民全体で肉を食べるようになったらどうなるでしょう。言うまでもなく、肉牛の飼料として穀物が大量に消費され、深刻な穀物不足を招いてしまうでしょう。

■食糧危機の兆し

 実はその兆しはすでに見えています。1998年の夏、長年、高い食糧の国内自給を維持してきた中国が、トウモロコシなどの穀物の緊急輸入に踏み切りました。これによって、シカゴ商品取引所の穀物市場は揺れに揺れたそうです。
 
 これは、急速な経済発展に比例して、中国国内の牛肉消費量がものすごい勢いで増えたことに原因があります。
 日本でも、戦後から現在に至るまで、急速に肉の消費量が増えました。それでも50年間で10倍ほどでした。

 ところが、今の中国は日本を遙かにしのぐ勢いです。(以下は牛肉のみの数字で単純比較は出来ないのですが、それでも)中国ではこの20年間で牛肉の消費量が20倍に増えたそうです。ただただ驚いてしまいます。

■牛が人間を食べている!?

 もし、このまま中国の牛肉消費量が増えると、やがて、アメリカが世界に誇るトウモロコシの生産地、コーンベルトはパンクします。そうなれば、今よりももっと、飢えで苦しむ人たちが増えるのは間違いありません。

 このような状況を皮肉って、ある評論家は、「牛が人間を食べている」と言ったそうですが、全くその通りであると言わなければなりません。

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■先進国最低の食料自給率

そして、そうなると、私たち日本人にも食料不足は深刻な問題となってくるはずです。なぜなら、日本の食料自給率は、あまりにも低すぎるからです。

 日本の食料自給率は、カロリーベースで41%で、先進国の中でも最低です。穀物自給率では、さらに低く、29%(平成8年)です。イギリスも20年ほど前までは、70〜80%でしたが、政策転換により、今は100%を越えています。フランスはヨーロッパでは農業大国。ドイツももちろん100%以上です。この先進諸国と比べると、日本の穀物自給率の低さがよく分かります。
 
 この数字からも分かるように、近い将来、もし、食糧危機に陥った時、先進諸国で一番真っ先に打撃を受けるのは、日本ということになります。

 もし、食糧の輸出制限という合い口を喉元に突きつけられたら、日本はどうなってしまうのでしょうか。

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■肉食を減らしましょう。

 以上見てきたように、事態は今でも結構深刻です。

 そして、これから毎年、世界の人口は9,500万人づつ増え続け、2025年には80億に達するそうです。そうなると食料不足は本当に現実味を帯びてきます。

 今年の3月、断食生菜食療法で有名な甲田光雄先生が、「肉食を今の半分に減らそう」という運動を旗揚げされましたが、それも、この食料不足を危惧された、愛と慈悲の実践ということだそうです。

■5回に1回、肉食をやめれば、餓死する人はいなくなる。

 とりあえず、今、出来ることとその効果について、具体的に挙げてみますと、日米の人たちが、5回に1回の肉食を止めることによって、世界中で飢餓で亡くなる人を無くすることができるそうです。肉の消費が減れば肉牛も減ります。肉牛が減れば、飼料とし使われていた穀物が余ります。その余った穀物を飢餓で苦しむ地域に回せればいいという計算です。
 
 いろいろな利害が絡み、ことはそう簡単ではないとも思います。でも、できるところから始めなければならない時期に差し掛かっています。

 これを読まれた皆様には、ぜひ、玄米自然食に心がけられて、肉食を減らしていただきたいと願っております。

 付け加えて、日本の食料自給率をこれ以上落とさないために、野菜や穀物などの食品は、国内産のものにして、安くても海外産のものは買わないようにしていただけたらと思うのです。(終)

   
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